出版業界の将来

出版業界の構造自体の問題だの、インターネットにおける音楽配信の様に形態を変えるまでの過渡期だの、色々言われているけれど、読者側から言わせてもらえば、単に供給過剰なだけだと思う。


たとえばアニメひとつとっても、時間的に今季放送されているアニメの半分も見ることができない。標準作以上で、昔のように作られる数が少なければ楽しんで見ていたであろう作品の半分は捨てざるを得ない。ゲームにしたところで似たようなもので、DQ9をやりこんだら、100時間~150時間は費やすことになる。これって残業なしの1か月の作業時間に匹敵する時間数だよ。


ネットで供給される文章量たるや、無意識に読んでいるけど1日あたり週刊誌1冊分近くは読んでいるわけで、明らかに読んでいる語数は増えているのに、読んでいる本の数は少なくなっているし。


マンガなどの場合は、過去作の蓄積が膨大になってきて、名作と言われるものだけをすべて読むとしたら、数年はかかるんじゃないかな。これがネットで廉価で供給されたとしたら、今の作家たちは太刀打ちできるだけの力量を持っているか疑問だ。これに加えて、アマチュアの技量がプロに近づいているという現実もある。


現在、消費物として扱われているこういったものも、俳句、短歌、川柳、純文学などの様に、趣味化&芸術化の方向に進むような気がする。