被爆二世


微妙な問題なので、先に結論から書く。被爆による障害が遺伝する事は確認されていない。

結婚や出産に不安を持っている方は安心してください。

無知による差別を行った方は反省しましょう。


根拠となる資料はいくらでも探せば有るけれど、一応下のを張っておく。

http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wajima/helr4-2.htm


元々は、下の質問と回答の内容を見て、愕然とした事から始まる。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2326897.html


確かに直接強い放射線を浴びた場合は、遺伝子異常を起こす。このさい、遺伝子異常を起こした細胞の大部分は細胞分裂出来ずに死滅する。異常遺伝子が細胞分裂を起こす機能を残していれば、異常遺伝子を持つ細胞が増殖して癌化する事になる。


さて、人間は一個の受精卵から細胞分裂を繰り返して最終的に生まれてくるわけである。すなわち、全ての細胞が受精卵の遺伝子からのコピーを持つ事になるわけだ。もし、受精卵の段階で異常遺伝子を持っていたとすると、全ての細胞が異常遺伝子を持つ事になる。ゆえに、異常遺伝子を持った子供が成体となる可能性は非常に低いと思われる。


問題は、遺伝子の異常の度合いが非常に少なくて、成体となるのに問題はないが、何らかのきっかけで、病的症状が発生するような状態になっているケースとなる。ちょっと考えて貰えば判ると思うけど、そんなに都合良く遺伝子が破損されるケースは確率が非常に小さいだろう。


頭で考えても現実とは異なる場合もあるし、殆ど無いだろうとは思われるが確率的にはゼロではないわけで、長期に渡り被爆者二世の方の健康調査が行われている。この結果、被爆されていない方との差異は一切検知されていないと言う事で、被爆者二世であると言う事実からは何ら健康上の問題は発生しないと考えて差し支えない。


この手の知識と言うのは、既に知れ渡って居るものと思っていたけれど、それでもなお誤った知識で悩む人が多いというのは何なんだろうな。知らなきゃ悩まなきゃならない、知らないと他人に迷惑になるような知識は優先して知らしめる必要があると思う。