津波警報


茨城に居たので全然気が付かなかったのだが、バイクのタイヤ交換に行ったらテレビでやたらと津波警報のニュースをやっていた。震源地は釧路からはるか東方で、M8.3の巨大地震が発生。北海道東部沿岸から東北沿岸にかけて津波警報が発令されたとの事。予想水面上昇が1mってのはかなりでかい。


俺の実家は岩手県で数十年前までは津波の多発地帯でもあったから、今度はホントに来るんじゃなかろうかと心配になり、電話を入れてみたところ、本人達は至ってノンキであった。婆様に至っては、用事で浜の近くまで行っていると来たもんだ。


岩手県沿岸はリアス式海岸と言って、岬と湾の連続で出来ている海と山だけの地形で、津波が押し寄せると波の高さが増幅されて浜まで到達するのである。このため、しょっちゅう津波が来ては流されると言う事が繰り返されていたらしく、俺の子供の頃は防災関係の知識を叩き込まれたものである。


ところが、ケーソンとかテトラポッドとか消波技術の進歩や防波堤の充実のおかげで、俺が生まれてからこのかた一度たりと津波が押し寄せた事はありゃしない。津波警報は相変わらず年に1回程度はあるから、もう慣れっこになって、誰も真剣に避難しようとしやしない。俺の従妹なんざ、わざわざ海岸まで見に行って、えらく怒られた事があるくらいだ。


毎回こうだと、警報の意味が薄れてしまうのもしょうがない気がする。実際、防止工事が効いているわけだから、それも含めての警報という事にして、本当に危ない時の警報を別に用意しておく必要があるのかも知れない。


それにしても、1000年に1度とかの滅多にないけど発生すると被害がデカイ災害みたいなのが在ったとする。こういうのに対する警報が5年に1度あるとすると、警報自体に意味を持たせるのは難しいだろう。うまい方法は無いもんかね。