ニタイとキナナ


ニタイとキナナ

ニタイとキナナ

縄文時代の村(集落)の生活を描いた逸品。ニタイとキナナは主人公夫婦の名前です。コミック・トムプラスの連載。


作者は縄文オタクらしく、正確な描写がされている。特に事件らしい事件も無く、はた万次郎の北海道エッセイマンガみたいに異なる文化を覗き見るような面白さが魅力である。そういや「とりぱん」も似たような感じか。


主人公たちが住む架空の村は、僕の住んでいた岩手県に設定されていて、会話に使われる方言も馴染みのある言葉のため、実にすんなり世界に入り込める。


主人公の奥さんの出身とされるキリキリは「吉里吉里国」で一時期ブームになった場所である。割に気軽に歩いていっているような印象があるが、山一つ越した70kmほどの距離のところで、歩いていくにはちとシンドイ距離であるな。元々海側の出身である俺としては、こっちの様子もちょっこっと描いてあって、懐かしかった。


筆者が子供の頃に、縄文土器や矢尻を見つけるのが流行ったような事が描いてあったが、俺も小学校の頃にブームになった。なんせ発掘場所は通学路で、土器の欠片はちょっと掘るだけでザクザク出てくるから、希少価値のある矢尻をいかに多く集めるかが勝負になっていた。


関係ない話も書いたけど、出身地が近いと言う身びいきを差し引いても、ぜひとも読んで貰いたい作品です。