のだめカンタービレ


実のところ、実写で「のだめカンタービレ」をドラマ化すると言う話を聞いたときに、またロクでもない作品にしてしまうと思っていたんだよね。何故か漫画原作でドラマ化するときに、演出する側がストーリーから原作の雰囲気から買えてしまうケースが多くて、またそれが殆ど失敗していると来たもんだ。このケースで成功したのは「スケバン刑事」くらいしか知らんのだよね。


どうも原作漫画のネームバリューに乗って、自分のゲージツ的欲求を満足させる作品として作り直したくなるなるらしいだよな。だからといって、原作よりも劣った作品に仕上げてどうするんの。アニメにおいては「うる星やつら」以降、原作を超える+αがあるのが当たり前になっているのに、実写ドラマは劣化するのが当たり前の状態なんだよな。


さらに加えて、のだめは原作には無い「音」を出す必要があるわけで、漫画だとそれぞれのレベルに合わせて脳内補完出来るが、現実の音でその効果がどの程度出せるかっていうか、そもそも演出する側がクラッシク音楽の事をどの程度知っているか非常に不安。そもそも演奏シーンをどうすんの、等々。


不安要素が満載ゆえ、多分ダメだろうと思って1作目を見逃したのは非常に悔やまれる。原作の良さを残して原作を超えたTVドラマって初めてじゃないかな。


メリハリの聞いた演技に特殊効果やCGの使い方が上手く効いている。演奏者の手の部分だけ別に撮影して、役者の演技に被せるやり方が自然でスバラシイ。それぞれ挿入されている音楽は、専用に演奏されたものを使っているようである。実にツボを押さえた演出で、展開のスピードも含め飽きさせない。録画して見ているが、早送りするところが殆ど無いのが驚異的。


もともと日本には、漫画、雑誌、小説の出版数が異常に多いのに加え、近年だとコミケを初めとするアマ創作物が膨大な数に上っていて、創作物の数だけ考えれば世界の半分以上が日本で作られているんじゃないかな。


コンテンツと言うか優秀なストーリーは山ほどあるのだから、製品として、このレベルのTVドラマを作り続けてくれれば、ドラマの世界でも韓流を遙かに越す日流が世界を席巻してもおかしくは無いね。今のTVを見ている限り先行きはちょっと暗いけど、頑張って欲しいものです。

のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))

のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))