赤タミフル


ここ数日、風邪っ気がして頭が痛いのだが、劇的な症状が出ないので助かっている。盛岡の家族の方は、昨年末からえらい嘔吐下痢を伴う病気(おそらくノロ)にかかって、殆ど一家全滅状態であった。


ここ数年ばかり、インフルエンザからの難は逃れているのだが、どうやらかなりタチが悪い鳥インフルエンザが大流行しそうな気配である。実のところ、去年のタミフル騒動があった時に、既に「パンデミック・フルー」の危険性と言うことがWHOのサイトのトップに掲げられているわけである。今頃になって取りあげられるのは、マスコミの論調がタミフル=悪の構図で大衆を煽るのが一巡したので、今度は「タミフル=悪」を煽った側を批判して、もう一儲けしようと言うことなのであろう。毎度の事ながら、ばかばかしい限り。


タミフルが危険であるとかタミフルが利権の対象であるとか、あるかないかも判らない程度の危険性とインフルエンザで苦しむ(体力無い人なら下手すりゃ死ぬよ)リスクを比べたら、当然タミフルの方を選ぶわけで、その辺下手に規制するよりは、リスクを自己責任で取れるようにしておいてくれた方がありがたい。薬害エイズ騒動から「羮に懲りて膾を吹く」の例え通り、過剰反応になっており、こっちまでとばっちりが来るのは勘弁して欲しいところ。


とはいえ、さすがに事なかれ主義の厚生省も事態の対応は行っているようで、タミフルの備蓄は進んでいるようである。これは一般に流通するものと区別するために赤いパッケージに入っているから赤タミフルと言うそうな。現実的な話、インフルエンザに直接効く様な薬で安全性が高いのがタミフルなわけで、この備蓄すら邪魔するような事を行うのであれば「自分はタミフルを使用しない」宣言をして、他の人に優先的に廻してあげて欲しいものである。


交通事故で死亡する確率が高くなるのが嫌で、自動車を運転しない人は殆ど居ないのに、こういう事で騒ぐと言うのは量の判断が出来ないと言う事であろう。例えばアプリケーションを作った場合、100%バグが無いなんて事は無いわけで、有用性とコストとリスクのバランスがとれたところでOKとするのが現実と言うものである。マスコミが何かの危険性を訴えたときは「有り・無し」だけではなく、具体的に「どの程度の量で」「どの様な症状が」起きるのかを調べ、有用性とコストとリスクを判断するようにしたいものである。